人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ソビエト時代の遺産?

 ロシアで乗るフェリーの切符を買うために、わざわざメールと国際電話で、フィンランドのフェリー会社のリューベック支店のエージェントと交渉せざるをえなかった。

 「500キロ先のヘルシンキに行け。そうすれば安いし早くつく。ドイツ人はみんなそうしている」。そう言って、ロシアのサンクトペテルブルグ代理店の担当者は、水曜夜に出るフェリーの取り次ぎをしない。途中の道路が凍結しているため、単車では辿り着くことができないことを説明しても、「窓の外を見ろ、車が通っているところは、溶けているから問題ない」と勝手な断言をし、さらには「あれは貨物船で、そもそもそんなフェリーは無い」とまで言っていた。

 「朕は法なり」というのがロシアの窓口担当者の流儀だ。上司に苦情を言ったり、挑戦的な態度をとって逆らう事は禁物だ。どんなしっぺ返しをされるか分からないからだ。

 彼女には、そもそも切符を売るつもりが無い。だから、顧客がわざわざ代理店に出向いているのに、全く相手にしないのだ。

 この担当者は、私が代理店にいる時に目の前で「本当に水曜日の便を使いたいのなら、一刻も早くドイツの担当者と打ち合わせをして、手続きをしなさい」と、私宛にメールで指示を送っていた。これは、後からメールのタイムスタンプを見て分かった。どちらがサービスをする側なのか、何のための代理店なのか分からない。

「私の言う事を聞かないような奴には、何も売ってあげない」というソビエト時代の購買部の風習が今でも残っている。

 結局、ドイツの担当者と細かい打ち合わせをし、クレジットカードを使い、なんとか水曜夜ペテルブルグ出発、土曜朝 Luebeck 到着の乗船券を入手することができた。

 比較的暖かいサンクトペテルブルグにも、明日は雪の予報が出ている。埠頭内は、一般の道路と交通量が違うので、雪解けが遅いことも予想される。11日昼間は曇りということなので、空と道路の様子をみながら、なんとかフェリーのゲートまで辿り着くしかない。

 せっかく サンクトペテルブルグにいるのだから、エルミタージュ美術館に行きたい。しかし全く心の余裕が無い。
by k1200rs99 | 2009-11-09 23:48 | Russia
<< 外は雪まじりの雨 サンクト・ペテルブルグ >>