トレーラーに載せてくれたサーシャと別れ、ヴァニノに向かうオフロードを難儀しながら低速で進み、かなり時間がたっていた。突然舗装路が現れた。長距離走行をする場合、速度を出せるところでは出して距離を稼ぐのが原則だが、はたしてそこがスピードを出すべきところなのか、用心して走るべきところなのかを判断するのに多少時間がかかる。
ここでも始めはおそるおそる走っていたが、ある程度走ってスピードを出して良いことが分かったため、時間を稼ぐために120km/h程度におさえてしばらく走った。さらに峠を越えて下り坂になり、ワインディングロードを調子良く走っていたのだが、カーブを抜け長い下り坂の直線にさしかかった途端に道の様子がおかしいことに気づいた。地平線上に見える道路の色が違う。直線の途中で舗装が切れていて、その先がダートになっているのだ。
停まる余裕が無かった。舗装は状態が良く乾いているとはいえ、雨後で舗装面が汚れている。急ブレーキをかければ転倒する恐れがあり、しかも、もう切れ目までそれほど距離が無かった。ジャンプするしかなかった。
結果的には切れ目の先のダート面が比較的平らで柔らかだったため、ジャンプ後、無事に着地することができた。ABSが切れていたため、ダート着地後のギミックなブレーキングも問題無く、転倒もなかった。ほんの数十秒間の出来事だった。
GPSの記録に寄るとジャンプ時の高度差が9mもあったことになっているが、精々1-2m程度だろう。衛星が捉えにくい、山中での出来事であり誤差がかなり出ていると思われる。乾燥重量300kgを越えるK1200RSでアクロバットじみたことをやるのは、これが最初で最後だろう。
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