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ロシア最後の夜の回想:ヴァニノ山中

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【突然現れた三菱ふそうのトレーラー】
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【悪路でも落ちないようにK1200RSを直にロープで固定するサーシャ】
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【トレーラーを降りた後も沼地と悪路が断続的に200km続いた】
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【ブラックユニコーンズのメンバー、左からサーシャ、アンドリュ、セルゲイ】
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【ブラックユニコーンズのクラブハウス】
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【バイカル・アムール鉄道=バム鉄道(БАМ)事実上の終点ヴァニノフェリー埠頭】

 サハリンのコルサコフ港でロシア最後の晩を過ごしている。明日(20日)稚内に向けて出航予定だ。稚内で一泊して北海道を縦断し、苫小牧から仙台へでフェリーで向かう。

 コルサコフの中心街にはフェリー埠頭と、外見上は日本人と見分けがつかない樺太人が主体のマーケットがあるだけで、みやげものやも、遅くまでやっているレストランも無い。本当に小さな港町だ。樺太の中心都市ユージノサハリンスクには、リアブレーキペダル無しで足を踏み入れる勇気がなかった。

 シベリア横断は、最後の一週間が一番過酷だった。昨年の寒さにこらえていた時が、どれほど楽だったかと思わせるぐらいのハードなラフロード(悪路)の連続だった。

 特に17日朝にハヴァロフスクの宿を出て向かったユーラシア大陸東端にある港町ヴァニノに抜ける300kmほどの山道は、想像を絶するものだった。朽ちかけた木の橋を渡ったり、泥の海をエンジンをかけながら単車を押して歩いたり、泥の山を越えられなくて転倒し、一時は、バイクと荷物を放棄して自分だけ帰ろうかとさえ思った。

 その時突然現れたのが、三菱ふそうのトレーラーに乗るサーシャだった。彼が声をかけてきた時には、数百メートル離れたところに放棄して来たはずの荷物が、すでに全てトレーラーに載せられていた。そして、バイクもこれに載せろというのだ。

 二人だけで300kgのバイクをトレーラーに載せるにはかなりの荒療治が必要だった。しかも悪路の連続でバウンドしてしまうため、スタンドをかけることができず、BMW K1200RSをマナイタにくくりつけたマグロの様にして車台に直に載せて運ばざるを得なかった。それでも放棄するより、ずっとましだった。サーシャには、一番酷いところを百キロ近く、バイクと荷物ごと運んでもらった。本当に助かった。

 サーシャは英語が出来ないので、身振り手振りと片言のロシア語でコミュニケーションをとるしかなかった。サーシャに寄れば、今年の東シベリアの7月8月は、例年になく雨ばかりで、雨が降らないウラル以西のヨーロッパロシアとは対照的だったそうだ。

 ヴァニノルートを通過するなら、長雨が降り始める前の方が良い。文字通り雲泥の差がある。

 サーシャと別れてからも、普通ならトライアルやモトクロスの選手でなくては越えられないような難所を何カ所も越えねばならなかった。アクロバットじみたこともした。そうして、なんとか辿り着いたヴァニノの町で待ち受けていたのが、夜霧だった。前方視界が5mくらいしかない。路肩がどのような状態か皆目見当がつかないため、単車を停めることも、速度を上げることもできない状態が1時間くらい続いた。幸い国道は定規で線を引いたようにまっすぐだった。

 日付が変わる頃にヴァニノ港のガソリンスタンドにようやく辿り着き、スタンドのおばさんを拝み倒し、テントを張らせてもらう許可を貰った。テントを組み立てているうちに、給油に来た若者たちが、俺たちもバイカーだ、バイカーズハウスがあるから、今夜はそこに泊まれ、そう言ってくれた。

 翌朝、学校の休みだから時間があるといって、若者たちが、サハリンに渡る切符やフェリー通関の手続き等煩雑な手続きを、全てついてきてやってくれた。ロシア語の分からない私がやっていたならば、その日中にフェリーに乗ることができなかっただろう。

 多くの見知らぬロシア人に助けられつつ、なんとかロシアを脱出できそうだ。特にトレーラーの運転手サーシャと、ヴァニノのバイククラブ、ブラック・ユニコーンのセルゲイ、アンドリュ、サーシャには、改めてこの場で心からお礼を申し上げたい。

Thank you, Sascha on Mitsubishi FUSO!
Thank you, Black Unicorns, Sergei, Andrew & Sascha!

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by k1200rs99 | 2010-08-19 20:00 | Russia
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